日本社会福祉学会関東部会

倫理的ジレンマを伴うソーシャルワーク実践に おけるクライエントの「最善の利益」と 「自己決定」の尊重に関する研究
―IJSWVE 文献の計量テキスト分析を通して―


 打越友実,小林理,新保幸男 (神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部社会福祉学科
東海大学健康学部健康マネジメント学科)


 抄録

 本研究では,学術雑誌 International Journal of Social Work Values and Ethics に 収録された 22 本の論文を対象に計量テキスト分析し,ソーシャルワークの倫理的ジレンマに おいて,クライエントの「最善の利益」と「自己決定」がどのように捉えられ,扱われている かを明らかにした.結果として,ソーシャルワーカーとクライエントの 2 者関係から生じる ジレンマ以外に,クライエントを取り巻く複数の関係者間で生じるジレンマに着目されてい た.「最善の利益」については,本人と関係者への危害や不利益を最小限に留めることが重視 されており,ソーシャルワーカーにとって誰がクライエントなのか,何に対して責任を負うの かが関係することが示唆された.「自己決定」については,クライエントに必要な情報を提供 する時期や方法,介入の程度,結果の受け止め方についての見極めが重視されていることがわ かった.

Key Words:ソーシャルワーク,倫理的ジレンマ,最善の利益,自己決定,計量テキスト 分析

社会福祉学評論(25):29-43、2024


コンテンツ一覧へ移動