日本社会福祉学会関東部会

社会福祉士資格制度の変遷に関する一考察―行政資料の計量テキスト分析を通じて―


 道念由紀 (厚生労働省 社会・援護局 総務課)


 抄録

 本稿の目的は,社会福祉士制度の成立から現在までの,行政文書における審議の内容,及び,各改正期等の審議内容の類似性や特異性等を明らかにすることである.研究方法は,審議会や検討会の報告書,議事録等の行政資料を対象に,計量テキスト分析を用いた比較検討を行った.その結果,社会福祉士に関する審議内容では,「社会福祉と地域支援」等の19のテーマが議論されてきたことが明らかになった.さらに,令和元年度改正期の審議は,従前と比べて特異な位置づけにあることが明らかになった.今後の課題は,質的分析や歴史分析の手法を用いて,「ソーシャルワーク」,「相談援助」,「社会福祉援助技術」等の制度の核となる語の含意や関連性を分析し,より詳細な変遷プロセスを検討することである.

Key Words:社会福祉士,専門職資格制度,ソーシャルワーク,計量テキスト分析,行政資料

社会福祉学評論(24):57-69、2023


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