訪問介護職による在宅で がん末期患者を看取る家族への支援の現状
鈴木 真智子 (貞静学園短期大学)
抄録
本研究の目的は,訪問介護職による在宅でがん末期患者を看取る家族への支援
の現状を探索し,家族の看取り後の心残りの軽減につながる訪問介護職の支援のあり
方を検討することである.訪問介護職19 名を対象に半構造化個別面接を実施し,グ
ラウンデッド・セオリー・アプローチ法を援用し質的に分析を行った.分析の結果,
家族への支援として,カテゴリー《それぞれの家族にあわせた支援》,《支援する家族
の在りよう》,《状況への寄り添い》,《患者と家族をつなぐ》,《家族の看取りを実現》,
《関わり継続の模索》が抽出された.訪問介護職による支援は,看取り後の家族を見
据えながら,それぞれの家族の看取りを実現するために,多様な家族の状況にあわせ
て寄り添い,大切な時間の患者と家族をつなぐものであった.看取りの段階から看取
り後の家族の在りようを見据えて行われる家族への支援は,看取り後の家族の心残り
の軽減につながるものとして考えられた.