精神障害者ピアヘルパー養成プログラムの満足度と効果~修了生によるプログラムに対する振り返りを通して~
鄭敏基 (日本社会事業大学大学院社会福祉研究科博士後期課程)
抄録
本研究では,精神障害者ピアヘルパー養成プログラムの満足度と効果を明らかにするため,修了生の振り返りによるプログラム評価を行った.
プログラム満足度については,講義,実技,実習を含む教育プログラムと,教育プログラム修了後の就業支援などの支援サービスに分けて調べたところ,教育プログラムに対しては71.6%,支援サービスに対しては63.3%が満足している結果となった.
プログラムの効果については,プログラム実施の前後で、就業希望が34.3%から80.6%に上昇し,就業率が50%に達したことと,プログラムの影響で生活が改善され,生活の質の向上が図られたことがあげられる.生活の変化に関する回帰分析の結果,生活の改善には支援サービスと就業状況の影響が大きいことが分かった.
職業リハビリテーションは就業に導く過程であることから,プログラムの実施において,就業支援やフォローアップを含む継続支援の充実が重要であることが示唆された.