日本社会福祉学会関東部会

児童養護施設における働き続けることができる職場環境の諸要因―児童養護施設職員へのアンケート調査を通して―


 座安晃生 (日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科 博士後期課程/西台こども館)


 抄録

 本研究では,児童養護施設における働き続けることができる要因の構造を明らかにすることを目的とした.東京都の児童養護施設の職員224人(回収率18.9%)にアンケート調査を行い,因子分析を実施した.その結果,「対等な職員関係」,「仕事・家庭の両立」因子の2つを抽出した.また,先行研究の尺度から得られた,「定着可能度」因子を抽出した.その結果を共分散構造分析によって働き続けることができる要因の関係性を検討した.「対等な職員関係」から「定着可能度」,「定着可能度」から「仕事・家庭の両立」の潜在変数間に有意な関連が認められた.働き続けることができる職場環境の形成には,「対等な職員関係」→「定着可能度」→「仕事・家庭の両立」のプロセスが求められるということが示唆された.モデルの適合度は,GFI=.957,AGFI=.928,RMSEA=.048であり,統計学的に有意な関係性を示した.

Key Words:児童養護施設,職場環境,共分散構造分析

社会福祉学評論(24):45-56、2023


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