日本社会福祉学会関東部会

スクールソーシャルワーカーを選択する社会福祉士・精神保健福祉士の傾向―就労状況調査を用いた属性と価値の横断的分析―


 藤本啓寛 (早稲田大学)


 抄録

 本論文は,スクールソーシャルワーカー(SSWr)を選択する社会福祉士・精神保健福祉士にはどのような傾向があるのかについて明らかにするものである.そのために,公益財団法人社会福祉振興・試験センターが2020年に実施した「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査」のうち社会福祉士・精神保健福祉士についての集計データを二次分析した.その結果,非正規雇用の選択は,女性であるという性別や高年齢であることが関連を有している一方で,非正規雇用内での SSWrの選択は,性別や年齢は非常に弱い関連しかないことが明らかにされた.また,社会福祉士のみについて,SSWrの選択は他職種に比べて職務内容に魅力を感じているからであることが明らかにされた.以上から,SSWrを選択する者は他の非正規雇用と類似した属性を有しながらも,正規雇用の他職種に近い価値を有した者が多いという不整合を示した.

Key Words:社会福祉士,精神保健福祉士,就労状況調査,非正規雇用,職務内容の魅力

社会福祉学評論(24):31-44、2023


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