日本社会福祉学会関東部会

保育所が備えるソーシャルワークの連携機能―効果的な連携の構築に向けて―


 飯塚 美穂子 (洗足こども短期大学幼児教育保育科)


 抄録

 本研究においては,保育所を対象としたインタビュー調査を通して,保育所が備えるソーシャルワークの連携機能の活用の実態と課題について考察した.今日の保育所が抱える課題は多様化してきており,対面する課題の内容や状況に応じて,保育所だけで対応・支援するのではなく,地域の社会資源と結びつくことによる【効果的連携の活用と促進】が示された.一方で,【連携における葛藤】や【連携の障壁と途絶え】が生じており,効果的な連携が安定して構築される途上となっている.また,地域社会においては,【子育ての安全基地】として認識されており,保育所が紡ぐネットワークは,誰もが安心して子育てできる地域の醸成=【子育てを見守る地域のつながり】を目指すとともに,保育所の連携機能の向上,すなわ ち在園児と保護者への支援に寄与するものであるといえる.

Key Words:ソーシャルワーク,連携,保育所,ネットワーク

社会福祉学評論(22):40-51、2021


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