日本社会福祉学会関東部会

児童養護施設における働き続けることができる職場環境の諸要因


 座安 晃生 (東洋大学大学院 福祉社会デザイン研究科 博士後期課程)


 抄録

 本研究は,児童養護施設の職員が働き続けることができる職場環境の要因を明らかにすることを目的とした.分析の結果,【やりがい】である子どもの成長や職員間が尊重し〈共通理解〉を図っていく【対等な職員関係】が働き続けることができる要因であった.一方,【仕事・家庭の両立困難】があったが,〈職場内保育〉や〈勤務的配慮〉の【仕事・家庭のサポート体制】で払拭することができた.また,【職員間の不和】でやめようと思ったこともあったが,〈子どもからのサポート〉や〈職員への相談〉によって【職員として再認識】することができた.今後,求められる職場環境は,意図的に職員集団をつないでいく空間作りである【職員集団の構築】および,やむを得ず宿直ができない方が働き続けるための日勤部署の確保という【勤務形態の多様性】が挙げられた.

Key Words:児童養護施設,職場環境

社会福祉学評論(21):128-139、2021


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