日本社会福祉学会関東部会

障害者の就労移行後,就労継続を可能にする就労支援ネットワークの効果的な要素に関する研究―首都圏を中心とした障害者就労移行支援事業所に対する聴き取り調査の結果から―


 方 真雅・新藤 健太・大島 巌・植村 英晴 (日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科 博士後期課程)


 抄録

 本研究は,障害者の就労移行支援事業所が,就労継続のために有効と思われる企業・医療・就労関係機関との就労支援ネットワークの中で,有効に活用できる支援の要素を質的研究から具体的に明らかにすることを目的としている.調査は,就労継続に実績がある21の就労移行支援事業所を対象に半構造化面接による聴き取り調査を実施し,質的データ分析法を用いて分析を行った.その結果,就労継続のために有効と思われる「企業との連携」,「フォーマルな機関との連携」,「インフォーマルな支援者(団体)との連携」,「医療機関との連携」の就労支援ネットワークにおいて有効に活用できる具体的な支援の要素を20のサブカテゴリとして抽出した.本調査の結果である20の具体的な支援の要素から就労支援ネットワークを有効に活用する支援のあり方を考察した.

Key Words:障害者,就労,移行支援,就労継続,就労支援ネットワーク

社会福祉学評論(21):104-116、2021


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