保育ソーシャルワークの独自性―保育所における実践モデルの構築をめざして―
飯塚 美穂子 (洗足こども短期大学幼児教育保育科)
抄録
近年の子育て家庭がおかれている状況と保育所・保育士に求められている役割をふまえ,保育ソーシャルワークが必要とされるようになってきた背景を法制度の変遷や統計資料を整理することによって明らかにした.また,先行研究のレビューを通して,保育ソーシャルワークの研究動向・論点の整理を行い,本研究における到達点としては,次のように提示したい.保育ソーシャルワークとは,子どもの最善の利益の尊重を前提とし,ケアワークを基盤として展開される【連続性】.それは,日々,子どもと保護者の状況を把握し理解することによって課題を早期に発見,対応し,予防ができるという強みをもち【日常性】,専門職と保護者との間の相互作用を活かして行われる【相互性】.さらに,本研究においては,「連続性」や「日常性」がより重視される保育所における実践に着目し,「保育士モデル」と「社会福祉士モデル」という 2 つのモデルを試案した.