日本社会福祉学会関東部会

移住外国人女性の子育て困難とサポートネットワークに関する研究


 南野奈津子 (昭和女子大学人間社会学部福祉社会学科)


 抄録

 本研究では新潟県,東京都にて17名の移住外国人女性に対しインタビュー調査を行い,分析要件に該当した14名のデータに対し,子育て困難を経験した際に関わったサポートネットワークと得た支援を分析した.その結果,新潟県では女性は夫・義父母から子育てではサポートを得つつも,母国家族との関係に対する規制を受けており,またインフォーマルサポートネットワークでは職場同僚が同時に子どもの友人の親でもあるといった重なりがあり,地域生活に根差したものとなっていた.東京都では,夫家族とのつながりは弱い傾向にあり,かつ離婚後子どもの養育を母国家族に託した場合だと子育て支援ネットワークとのつながりがなく,サポートは仕事を通じたネットワークから得る傾向にあった.夫や義父母,地域ネットワーク,そして同胞や母国家族と,移住外国人女性の子育て困難との関係の特性を踏まえた支援の展開が求められる.

Key Words:移住外国人女性,子育て支援,サポートネットワーク

社会福祉学評論(18):1-12、2017


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