日本社会福祉学会関東部会

地域で暮らす母子家庭へのソーシャルワークの構造と課題-M. Payneのソーシャルワークの構造からの検討-


 久保田純 (東洋大学大学院福祉社会デザイン研究科博士後期課程)


 抄録

 本稿では地域で暮らす母子家庭へのソーシャルワークの構造を検証するにあたり,M. Payneのソーシャルワークにおける社会的・文化的領域,機関・制度施策領域,ワーカー・クライエント領域という3つの領域におけるソーシャルワークの構造を参照し,文献研究からそれぞれの領域における現状の言説のコードを抽出し,課題と解決にむけた方向性を検討することを試みた.
 その結果,社会的・文化的領域では4つの現状に対する言説と3つの課題に関するキーワード,機関・制度施策領域では6つの現状に対する言説と4つの課題に関するキーワード,最後にワーカー・クライエント領域においては4つの現状に対する言説と4つの課題に関するキーワードが抽出され,これらを一つの図としてまとめた.
 この図により,地域で暮らす母子家庭に対するソーシャルワークの全体像を相互反映的なシステムとして俯瞰的に捉えることが可能となり,他の領域における課題を取り込みながら解決にむけたソーシャルワークを検討していくことが可能となった.

Key Words:地域で暮らす母子家庭,M.Payne,ソーシャルワークの構造,言説,課題

社会福祉学評論(16):15-27、2016


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